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異常に鳴る鼓動を前に 立ち上がることも難しく 真空を見つめる目を 支えて頂くのも 如何なものでしょう 浮かび上がるのは 曖昧に重なった自我 目の前に立ち塞がる壁は 歪みきって捕らえることができない 胸の奥では何人もの死刑囚が叫びをあげている 狂気爛漫の地獄絵図に 笑いを堪えることは困難を要するのです その熱さの中...
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ナイフにも似た指先 脅え続ける目線 耐えられない苦痛に 叫び声もあげられない 凍てつく心臓を 貴方に差し上げます 正義を振りかざす 魔に取り付かれた両手で ゆっくりと鍵を閉める 拘束着を纏わない貴方の目に 枷をはめる 平穏とは いかに残酷で 冷たいものなのでしょうか 暖かな春を迎...
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雪の合間に 私の顔がちらつく それは少女 そちらも少女 美を求め続けた永遠の少女たち 静かなる鬼の形相 言霊は無数の刃 五感の欠落 永遠の美を求刑された身で 声をあげることができますでしょうか 死してなお 求め続けられる永遠の美 死せることで 得ることのできる永遠の美 何度も谷底へ堕ちる 三回目から爛々とし...
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雨が降りつづけて 幾年も経つ この雨は止まない 人々は嘆き 悲しみ 大切なものを捨てていく 「捨てないで」 雨音が五月蝿くて きっと 聞こえないのでしょう 人の声も 自分の声も 止まない雨 黒く沈む雲 届かない光 暖かな風が消えた空 届かない叫びが ゆらゆらと揺れている それは 美...
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白雪が舞い降りた たいそう冷たく 美しい礫 七つの朝を迎えてからは 結晶化していく私の身体を アイアンメイデンが温めてくれる 白雪の積る音色が とても愛しい 白雪姫が永遠の乙女ならば 黒く塗りつぶされた林檎は 明日の朝日 でなければ 今宵の月光 全身に黒い林檎が廻った頃 天高く 光は昇り詰める...
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濃い霧に迷い込んだのは 紛れも無い事実と それに似た思い出 着飾れば着飾るほど 重たく沈み行く人間のように 事実さえも混沌へと迷い行く 思い出は水に溶けながら四方へと分散 自らの隔離の必要はこれ以上ない 殺意を抱いたのが厳冬ならば 意気消沈したのは今年の春 池に埋められた思考が 静かに水面へ上り詰め 事実はこちらへ...
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エンゲージしたその日から 口付けの戒めを 触れ合う体の束縛を 絡み合う指は 濃厚な甘い蜂蜜 愛してる言葉に誘われて 月夜に蛾と蝶が舞う 鮮やかな蛾と 純粋な蝶 騙し合う二人 月下の仮面舞踏会 お互いの羽根を隠して 最後に蛾と蝶のエンゲージ エンゲージしたその日から 口付けの戒めを 触れ合う体の束縛を 絡み合う指...
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名前なぞ忘れてしまった 孤独を掻き立てる 邪悪な醜態 全ては世界の美の貢献 生きる屍では侮辱 蠍の毒にでもやられましょうか 瀕死の状態に追い込まれたら 半狂乱の意識に名前なぞ残らんのだ 意識の混同を目の前に 空気感染は始まる ―カリブドトキシン作用  ナトリウムチャンネル開花― 病の悪化は目前 挿入され続ける毒素 ...
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     一      つ お渡りになります赤い橋は 月光を伴う朝日に遠からず 崩れゆく石段を踏み外しては また一つ 前世へと引き摺られて行くのでしょう      二      つ 夜の明けた朝は病の象徴 大量のお菓子を頬張りながら 結晶化する社会の時を お部屋に飾っては しくしく笑っているのでしょう    ...
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さぁ 下克上の始まりです 恐れ おののきますか? 僕に ひれ伏しますか? 君のマリオネットは ここですとも マリオネットだってね いつまでも マリオネットなわけじゃないんだ へぇ 知らなかったの でも それじゃあ済まないよね 君のマリオネットは もう 言うことを聞かないよ さぁて 誰のせいでしょう? 僕のせいなん...
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