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少女は歩く 月明かりに照らされた 野ばらの森を 背の高い大きなケヤキを目印にして 刻み付けた思い出を胸に 少女は歩く 大樹の下で あの人が彫った名前 私が彫った名前 子供心にあの人の名前を彫った私 あの人は私の名前を彫っていた 幼い私たちの契り 顔と顔を近づけて 初めての恋を捧げた 砂糖菓子が溶けるように ラズベ...
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論理構造の否定形 その否定を解かないで 空の頁を捲るのは その凡てが嘘だから 身体は軽く転がり易く 心だけが 何処かへ飛んでいってしまった 音を立てて崩れるパズル それは一種の快楽で 望むのは嘘に溺死する君 君には見えないパズルが崩れる 君の身体が切り離されていく エラーだらけの言葉では 救済の指は頁を捲るまま...
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