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罪深きは まごう事なき朱 記憶の彼方 抗えぬ恐怖の君 滴は落ちる 青と赤の協奏曲 君の赤 私の青 殺される記憶 ナルシシスティックに 爪を立て、肉を抉り、傷を舐める 妖艶な君 灰色の部屋 組み敷かれる花 私は絶える 絶叫は谺する 君が殺した記憶の赤に 體は染まる 殺せない花を目の前に 私を殺す 痛みが走る 嘆き...
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この手から生み出されし 言の葉の一片一片 欲の塊であるならば 零れていく音は 静寂に響く 淋しきラプソディ 指で言葉は踊り 口で歌は歌われる 差し出す手のひらは 不器用そのもの 上手く踊れぬ踊りと歌で 今宵はルージュに輝く葡萄酒を 屋烏の愛に狂い死ぬ 快楽の頂にあるものが 救済そのものだと気づいた刻 塞がった傷跡が...
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螺旋を回さなければ 時間は奪われ 手のひらに乗せた一つの意味は いずれ零れ落ちてしまうのでしょう 一つの意味 失くしてしまったら コッペリアのように 全てを失くしてしまうのでしょう 意味にすがらなければ 両手を切り落とされたことと同じ 指先で言葉を紡ぐことのできない苦痛と 訪れてしまう幻視痛の...
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言の葉を紡ぐ者も 音色で妖しを誘った者も 一つの肉を貪り喰い尽した者も 酷い耳鳴りの不協和音を毎夜 耳にしのた打ち回る 語る口は一つにして答えも一つ 生者の明日を継ぐ者は 枷と鎖を解きつつ 悪戯に愛を唱えては それを不協和音によって 生者に選択肢を与えざる者 死を招くのは我等 杭を打たれた...
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黒く染まりゆく自身を 分離されたペルソナが 数多に昇り詰め見つめていく 無限に殺した罪の形 愛していた嘘の形 愛すら嘘であるならば それは痛みを伴う慰めの行為 首吊り人形の願い事 啄ばまれた案山子のジレンマ 鮮血の聖母の世迷言 黒く染まりながら 白い笑みが差し出すのは 美しき奈落へを突き落...
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形のない光の渦 日の光に反射して 照らし出す愛しい姿 ガラス越しに重ねた指先は 氷のように冷たく いつか抱き合った体も 一枚のガラスに阻まれて 凍てついた体は ガラスに身を委ねながら ゆっくり力を失った 体から熱を失うように ガラスの隔たりが 私から愛しい姿を奪ってしまう 冷たい口づけも 体に染み込んでいく ...
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小鳥の囀りが 暗い小雨で遮られ 不気味な雑音で満たされる 美しい音色でさえ 至極是当然と遮断され 憂鬱を呼んだ 暗い小雨 甘いピチカートの音色を好んでは 白い針金の城で 全てを与え 小鳥は奏でる 有限な囀り それはただ一つの 生の囁き 甘い囀りは 欲望を満たす処方 小鳥の囁きは 誰にも聞こえはせず ただ耳に...
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囲まれた蝋燭に 祈りの灯火を 消え失せる声に 暖かな果肉を 静寂が孕む 悠久の場所 鳴り響く騒音は 純粋過ぎた 痛みの言葉 灯火が照らす色彩に 鮮明な緋が溶け出した午前二時 白い果肉は 赤く赤く染まりいく 痛みの言葉 それは祈りによる救い 向けられたシルバー それは具現化された形 幸福がもたらす祝福が 繰...
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刹那が時を刻み 愛しさに影を落とす空は ただ、哀しい色をした絶望 その刹那は 強制的に結んだ誓い 幾年も流れる暖かい月明かりは 甘美な憂鬱 刹那が許す愛しさだけが 影を照らす唯一の救い 誓いが縛りつける夜 永久を求めた口づけに 後悔を覚えた激流の果て 無限に繰り返す時を経ては 刹那的な夜の行為など 必要のない感...
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憎き肉片を焼き殺したところで 紅い眼をした女の憎悪は止まず 巨大な鎌を振りかざし 笑いながら血飛沫を浴びては 滅びの世界を望むのでしょう 背には鴉の翼を持ち 無造作に伸ばした漆黒の髪は 緩やかに片眼を被う ボロ布で出来た黒きドレスは 赤黒い染みが浮かび ドレスとは思えぬほどに破れている 『貴女はまだいらっしゃっ...
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