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赤い蕾を摘んでは愛で 新緑に沈む森へ埋めては 罪ながら救われるオルドローズを愛でながら 静寂を纏う晦冥に眠る 摘み始めたのは日盛り 恐怖に囚われたのは朧夜 眼球に焼きつき放れぬ深紅が こちらに黒い顔の妄想(ゆめ)を向けた月が最期 黒い顔の妄想(ゆめ)が愛しく囁いて 絶叫を繰り返しては 不眠の闇に身を堕とす 子守唄に...
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ただ 歌が歌いたかった この世の迷いを いらぬ憐れみを 脱ぎ捨てるように ただ 詞(ことば)を叫びたかった この世の叫びを いらぬ哀しみを 掻っ切るように 外側から見たアタシは アナタだって愛せる それでもその愛は 本物にはなり得ない 『カワイソウに・・・  アナタは笑いながらアイシテル』 黒いアタシに 気付...
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依存よりも速く 言葉よりも速く その身体が欲しい 悲しみの剃刀と 嘆きでもがいた爪痕に 言葉のいらない行為と 口づけのない愛情が 色褪せた傷口を 乱暴に塞いでいく 抱かれる腕に罪悪感を抱きながら 満たされる憂鬱の湖畔 湖畔に映る私は 剃刀も爪痕も知らない顔をする ―依存よりも、  言葉よりも、  ただひたす...
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刹那が時を刻み 愛しさに影を落とす空は ただ、哀しい色をした絶望 その刹那は 強制的に結んだ誓い 幾年も流れる暖かい月明かりは 甘美な憂鬱 刹那が許す愛しさだけが 影を照らす唯一の救い 誓いが縛りつける夜 永久を求めた口づけに 後悔を覚えた激流の果て 無限に繰り返す時を経ては 刹那的な夜の行為など 必要のない感...
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