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論理構造の否定形 その否定を解かないで 空の頁を捲るのは その凡てが嘘だから 身体は軽く転がり易く 心だけが 何処かへ飛んでいってしまった 音を立てて崩れるパズル それは一種の快楽で 望むのは嘘に溺死する君 君には見えないパズルが崩れる 君の身体が切り離されていく エラーだらけの言葉では 救済の指は頁を捲るまま...
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私の身を投げ出したベッドの上 誰も知らない私の住処 体を委ねたベッドは棺 ドーパミンD1機能低下による 意欲喪失による妄想と現実 私は死体と成った 見送りは捨てられていたテディベア 私が四枚の硬貨で買った命 彼の膝を涙で濡らし 恋人のように抱きしめた 私の裏切らない彼 こんなに愛してやまなかったのに 五感を味わう...
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弱く儚い獣の血 いつ幻か現に消えぬ 胡蝶の夢にも喩えねば 獣も世には現れぬ 見せた幻美しきかな 酒池肉林の宴を差し置いて 血溜まりの紅は花魁に 吼えるその声天の空 強くあれとの一声に 怯えた姿は一輪の花 獣愛しき星々の 煌きすでにほど遠く 月の明かりのすぐ下で 鳴き声あげては 眠りに就け...
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鼓動の数だけ想って果てた 幾億の鼓動を耳にしては 愚かな記憶に瞳(め)を閉じれば 夕焼けが綺麗に映える あの鼓動の耳鳴りに 夕べの鼓動を重ねて 過ちの日々を一つ一つ 煌く星屑に変えて また繰り返す記憶の向こう 忘れたのは貴方の夢の色 棄て去ったのは過去の貴方 着飾るのは夕焼けの色 脱ぎ捨て...
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虚空上の理論に於いて 個を収束し天文学的数字を並べるならば 在りし個の禍々しい性質は 一と成りてまた個を成すのだろう しかしながら 一をどれだけ保とうと その個は数多にある一であるという真実 一という個は 天文学的数字の一を収束しただけの存在にすぎない それに手を伸ばし 確率論さえ吐き出した個は ...
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暖かな木漏れ日の中 ハルモニアを奏でるように 空に鳥は囀り 花はゆっくりと咲き綻ぶ 静かな朝 木漏れ日はカーテンのように 鼓動に朝を告げる 雫に濡れた夜も 灯りを抱きしめた宵も 暗がりに怯えた闇も 全てをなぎ払うように それは暖かな旋律を奏で 全てを包みこむ 細やかな光の兆し 消えていく月の色 月は空の蒼に染まり ...
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垣間見る 記憶の向こう側 寂しくそっと 夢の跡は 消えていく 黒い人影を 指でなぞるよう 安らかに 移ろいゆく記憶を辿って 眠っていく 幻想から抜け出して 現に還り 夢を見る 確かな体温 人工的な音色 正直な色彩 鋭利な空気 歓楽的な糧秣 眠りの彼方 幻想の記憶 閉じては...
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依存よりも速く 言葉よりも速く その身体が欲しい 悲しみの剃刀と 嘆きでもがいた爪痕に 言葉のいらない行為と 口づけのない愛情が 色褪せた傷口を 乱暴に塞いでいく 抱かれる腕に罪悪感を抱きながら 満たされる憂鬱の湖畔 湖畔に映る私は 剃刀も爪痕も知らない顔をする ―依存よりも、  言葉よりも、  ただひたす...
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運命の選択肢は 必然的に眼前に出現する 人は欲があるからこそ 生きられる その欲が選択肢を呼ぶ 質量の計算を誤れば 後悔の帳が躯を覆い尽くす それを掻い潜る可能性を追い求め 幾つもの月日を飛び越えたなら そこにいる人は 目の前にある幸福を 追い続けているのであろう 運命を受け入れる者に幸...
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黄色いチョコレートは なんでも願いを叶えてくれる 不思議なチョコレート “私を食べて” 私はアリス もうその手には乗らないわ 黄色いチョコレートは なんでも願いを叶えてくれる 不思議なチョコレート “私を食べて” チョコレートの効果は 不思議の国を抜けてから お姉さまだけが知っている 黄色いチョコレート...
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