晦冥
曖昧に残した思想
行き交う死相は喜劇
喜劇の行く末を覗けば
貴方が悲劇を描き始める
死相の中に埋もれた嘲笑
嘲笑こそ栄光
栄光の末にある病みこそ
生を全うするための糧なのでしょう
夢魔に焼かれ
嘔吐を繰り返し
その中で事実は生まれ
文字を刻みながら四十八時間が過ぎた
埋め込まれた弾丸と
大量に抉られた喉と
眼球に焼きつく赤黒い塊
美しい花園に滴る雨水が
次第に不純なものに変化する
普遍を象らぬ世界
すなわち予期は無力
執行猶予まであと数分
愛したものを飲み込めば
一時の普遍を手に入れる代わりに
深い水底へ沈み行く
終焉に相応しい思想は愉悦
嫣然とする死相は狂気
宵が持成す甘美は
己の首を括った
悲を纏う喜劇の惨劇
written by 月ノ音 姫瑠
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