礫-tubute-
意味などない言葉の羅列など
病的に過ぎ行く黄昏であり
その空から緋色に降る雪の塊が
溶けては滴となって落ちるのならば
それは世界の不浄の証しなのでしょう
風と華が降らす言葉の礫を
一つずつ掴んでは心臓へ埋め込み
世界の美化を謀っては
清として尊びながら
白く儚き不知火のように
忘却の彼方へ幻影を降らせて
礫と忘却が心臓を蝕み
生きた死人となりて
ますます世界の不浄は進みゆくのでしょう
その忘却さえも
幻影として緋く殺せたならば
緋 雪
は は
白 幸
に に
それでも染まりゆく緋色ならば
いっそ貴方のアイアンメイデンで
深く蒼い海へ沈めてくださいまし
風と華から受け継いだ礫は
美しく茨を咲かせましょう
しかしながら
淡い花を咲かせる事は
この身では叶わぬ夢
アイアンメイデンと茨に抱かれ
お伽話に手を触れることができるのならば
死の生は確立し
そこに死は存在しうるのでしょう
恐ろしいくらいの雪が
降り積もっては溶けぬ淵の向こうに私は存在し
そこで綴り続けることこそ幸であり
聖であるのです
written by 月ノ音 姫瑠
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