脆くも美しいこの世界で
子供が天に召されると
小さな黄色の花連れて
童話の世界に迷い込む
赤と黒で染まる世界は
ずっと待ち侘びた
幸福というシナリオ
湖につん、と指先つければ
儚く散ってゆく
水色の波紋
天使の頬に触れただけで
僕の頬に桃の実が成る
白雪姫が毒リンゴを食べたとき
童話の魔女が
魔法をかける
目覚めは零時
脆くも美しいこの世界で
王子が夢色のキスをする
美しい姫君は
夜明け色をした蝶に
時間をたずねる
そして 世界はまた
別の童話へ
光の鏡の世界へ消えてゆく
written by 月ノ音 姫瑠
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