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濃い霧に迷い込んだのは 紛れも無い事実と それに似た思い出 着飾れば着飾るほど 重たく沈み行く人間のように 事実さえも混沌へと迷い行く 思い出は水に溶けながら四方へと分散 自らの隔離の必要はこれ以上ない 殺意を抱いたのが厳冬ならば 意気消沈したのは今年の春 池に埋められた思考が 静かに水面へ上り詰め 事実はこちらへ...
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エンゲージしたその日から 口付けの戒めを 触れ合う体の束縛を 絡み合う指は 濃厚な甘い蜂蜜 愛してる言葉に誘われて 月夜に蛾と蝶が舞う 鮮やかな蛾と 純粋な蝶 騙し合う二人 月下の仮面舞踏会 お互いの羽根を隠して 最後に蛾と蝶のエンゲージ エンゲージしたその日から 口付けの戒めを 触れ合う体の束縛を 絡み合う指...
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名前なぞ忘れてしまった 孤独を掻き立てる 邪悪な醜態 全ては世界の美の貢献 生きる屍では侮辱 蠍の毒にでもやられましょうか 瀕死の状態に追い込まれたら 半狂乱の意識に名前なぞ残らんのだ 意識の混同を目の前に 空気感染は始まる ―カリブドトキシン作用  ナトリウムチャンネル開花― 病の悪化は目前 挿入され続ける毒素 ...
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     一      つ お渡りになります赤い橋は 月光を伴う朝日に遠からず 崩れゆく石段を踏み外しては また一つ 前世へと引き摺られて行くのでしょう      二      つ 夜の明けた朝は病の象徴 大量のお菓子を頬張りながら 結晶化する社会の時を お部屋に飾っては しくしく笑っているのでしょう    ...
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さぁ 下克上の始まりです 恐れ おののきますか? 僕に ひれ伏しますか? 君のマリオネットは ここですとも マリオネットだってね いつまでも マリオネットなわけじゃないんだ へぇ 知らなかったの でも それじゃあ済まないよね 君のマリオネットは もう 言うことを聞かないよ さぁて 誰のせいでしょう? 僕のせいなん...
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子供が天に召されると 小さな黄色の花連れて 童話の世界に迷い込む 赤と黒で染まる世界は ずっと待ち侘びた 幸福というシナリオ 湖につん、と指先つければ 儚く散ってゆく 水色の波紋 天使の頬に触れただけで 僕の頬に桃の実が成る 白雪姫が毒リンゴを食べたとき 童話の魔女が 魔法をかける 目覚めは零時 脆くも美しい...
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温かいミルクティーと レモンのふんわりムース 一緒に頂いても 味わうことのできない甘酸っぽさ 淡雪を見つめながら 柔らかなマシュマロを一口 ビターチョコのほろ苦さが 貴方を想い出させる お菓子だけじゃ満たされない 初めての気持ち 心まで溶けてしまうような甘酸っぽさと 体が求めて止まなくなる...
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いつまで続くんだと思う? 永遠なる道の果て 愛はいつか 溶けてなくなってしまうんだろうか? 僕はきっと 違うと思う なくなってしまうのではなく 溶けて 混じり合って 一つに 固まってしまうんだと思う 「愛しているよ」 クリームチーズの甘い言葉 体は生クリーム 心はバター 全てが混じり合った時 愛の結晶が生まれるん...
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空に月がない夜だから 手を繋いでお眠りくださいまし 淋しいのは 月の所為だけではなくってよ 本当に愛しいと思えるから 優しく包み込むことができたなら 頬に優しくキスしてくださいまし それが小さな願いでございます いつか夜空に月が輝くことができたなら 手と手を取り合い 天の川に続く道を歩いてくださいまし それが小さな祈...
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