指先ナイフ
ナイフにも似た指先
脅え続ける目線
耐えられない苦痛に
叫び声もあげられない
凍てつく心臓を
貴方に差し上げます
正義を振りかざす
魔に取り付かれた両手で
ゆっくりと鍵を閉める
拘束着を纏わない貴方の目に
枷をはめる
平穏とは
いかに残酷で
冷たいものなのでしょうか
暖かな春を迎える為に
己の意思に鬼を宿す一瞬を
忘却の海へと投げ捨てよう
残酷な女帝の下す審判は
永遠なる時の翼でもあり
徐々に増える足枷の錘でもある
自らを言霊にて清める前に
忘却の海へ
貴方を投げ捨てよう
永遠に鎮めるであろう
指先の海へ
written by 月ノ音 姫瑠
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