一
虚空上の理論に於いて
個を収束し天文学的数字を並べるならば
在りし個の禍々しい性質は
一と成りてまた個を成すのだろう
しかしながら
一をどれだけ保とうと
その個は数多にある一であるという真実
一という個は
天文学的数字の一を収束しただけの存在にすぎない
それに手を伸ばし
確率論さえ吐き出した個は
如何に一を携えて
虚空に在り続けようとするのか
禍々しさ故に一で在ろうとする個
それは客観的な世界を喰らう異端者
異端で在ろうとする個
主観的世界で見れば
一の全てが異端である
だからこその一を繋ぐ線
線は収束の輪を覆す
一と一を繋ぐ線は
収束された個の性質を裏切り
一の性質を変化させ
異端より先の世界を見る
一は世界の果てに線を増加させ
個の性質を見る
それが本来与えられた個の性質
増加された線はいつしか
世界の果てより遥か向こうの世界へ繋がり
形を形成していくのだろう
written by 月ノ音 姫瑠
« 明日の空へ 私とお菓子と夢見る心 »
コメントを残す