少女人形
十の指が踊りながら謳い
舞う斧の先に見える少女は赤く
冷酷さ故に淡々と憫笑
埋め込まれた魂は焼かれて流刑
流刑の後に訪れる五月雨に撃たれながら
またもや流される
廻りながら
渦巻く冤罪に嘆き
恐怖に囚われた揺り籠に縋る
愛しき人に手渡す草棘
血塗れに咲く千草は
また赤く染まる少女の幻影を映し出す
殺意に溺れる運命に抗えぬなら
根源である神に許しを請い
両手首を焼き払い
舌を斬り落とし
幻影に囚われながら生かしては
神をも投獄
死する事が罪ならば
生かして捕らえる事は
幸福に殉ずるのであろう
操られた糸の先には
赤い斧を持つ少女の姿
見えぬ指に小さく震え
見えぬ指に憫笑する
殺戮を繰り返すその指を憾みながら
冤罪を再び犯し
幻影の中で逝き続けるのだろう
異なる世界での謝罪は無意味
糸を手繰って両腕を切り落とすことが
少女の幸福
その事実が水面に浮き上がるのは
あと幾年か…--
written by 月ノ音 姫瑠
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