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思考覚醒における副作用

濃い霧に迷い込んだのは
紛れも無い事実と
それに似た思い出

着飾れば着飾るほど
重たく沈み行く人間のように
事実さえも混沌へと迷い行く
思い出は水に溶けながら四方へと分散
自らの隔離の必要はこれ以上ない

殺意を抱いたのが厳冬ならば
意気消沈したのは今年の春
池に埋められた思考が
静かに水面へ上り詰め
事実はこちらへ引き寄せられる
さて、思い出はいかに

各々の固体となって浮き上がるそれは
健忘に価する醜態
望んでいなかった過去的未来
剃刀さえ見当たらぬ滑稽の惨劇
真赤に染まる鏡を見つめ
微笑に浸る向こうの人間
聞こえる息遣いは呂律の回らぬ化け物
堕ちる瞬間は13%のアルコールに酔いながら
堕ちた瞬間は冥界を誘う果実酒の如く甘味
カウントダウンは零.参秒前
終わりの世界を描く弧は
虹ではなく真赤な旋律
お渡りになるこの路は冥界
単旋律を繰り返す美は
麗しく不気味

冥界を辿る音色に
選ぶ権利など無いのです

事実が運んだ真実に
溺れる日は何時の日か
待ちわびる日は
もうこの世にはない
未来の御話の一節也

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