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異常に鳴る鼓動を前に 立ち上がることも難しく 真空を見つめる目を 支えて頂くのも 如何なものでしょう 浮かび上がるのは 曖昧に重なった自我 目の前に立ち塞がる壁は 歪みきって捕らえることができない 胸の奥では何人もの死刑囚が叫びをあげている 狂気爛漫の地獄絵図に 笑いを堪えることは困難を要するのです その熱さの中...
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ナイフにも似た指先 脅え続ける目線 耐えられない苦痛に 叫び声もあげられない 凍てつく心臓を 貴方に差し上げます 正義を振りかざす 魔に取り付かれた両手で ゆっくりと鍵を閉める 拘束着を纏わない貴方の目に 枷をはめる 平穏とは いかに残酷で 冷たいものなのでしょうか 暖かな春を迎...
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雪の合間に 私の顔がちらつく それは少女 そちらも少女 美を求め続けた永遠の少女たち 静かなる鬼の形相 言霊は無数の刃 五感の欠落 永遠の美を求刑された身で 声をあげることができますでしょうか 死してなお 求め続けられる永遠の美 死せることで 得ることのできる永遠の美 何度も谷底へ堕ちる 三回目から爛々とし...
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雨が降りつづけて 幾年も経つ この雨は止まない 人々は嘆き 悲しみ 大切なものを捨てていく 「捨てないで」 雨音が五月蝿くて きっと 聞こえないのでしょう 人の声も 自分の声も 止まない雨 黒く沈む雲 届かない光 暖かな風が消えた空 届かない叫びが ゆらゆらと揺れている それは 美...
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