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忘却の空

鼓動の数だけ想って果てた
幾億の鼓動を耳にしては
愚かな記憶に瞳(め)を閉じれば
夕焼けが綺麗に映える

あの鼓動の耳鳴りに
夕べの鼓動を重ねて
過ちの日々を一つ一つ
煌く星屑に変えて
また繰り返す記憶の向こう

忘れたのは貴方の夢の色
棄て去ったのは過去の貴方
着飾るのは夕焼けの色
脱ぎ捨てるのは星屑の空の色
走り続ける鼓動を聞きながら
忘れかけたあの日の私を視る

想いは虚飾の被害妄想
絡みつく指先は摩擦を生む
熱い胸だけじゃ満たされはしない
傷を負った心臓をください

忘れたはずの痣から
蠢き出すのはカタルシス
二人見ていたはずの現在(いま)をほら
嘘だと塗り固めながら
離れて去って偽物だから

忘れたのは私の幼い日
棄て去ったのは涙の跡
塗り替えるのは誰の面影
装うのは美しき蝶の羽根
絡みついては離れぬ思い出に
切り裂くようナイフを汚してみる

嘘も想いも夢さえも
叶わぬ夜更けのレクイエム
果てた鼓動からまた鼓動へと
繋ぎ合い合わせて数えて
息果てぬよう愛をください

忘れたのは二人の温かさ
棄て去ったのは心の奥
偽るのは悲しき愛の城
飾りのように微笑む言葉とは
残酷な貴方への愛情です

残したのは儚い温もりと
虐めすぎたのは夢の隙間
愛したのは愛する私的妄想
染め上げたように綺麗な朝焼けは
月光の見せている幻です

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