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薔薇の弔い

覚醒に基づいて
理論値を外れ
確かな妄想と
掴めぬ現の世界を往来し
その二つの世界に確信を持ちながら
己の器を越えた粒子を
生かし続けるのも如何なものであろうか

真実に触れぬ指先
そこに蒔きつけられた茨は
やがて全身に美しい棘と薔薇を咲かすであろう
その棘の先には
齢を重ねた汚らしい人の皮
例え、咲かせた薔薇が白くとも
そこから流れ出る赤い血汐が
赤い薔薇を優美に咲かせていくのであろう

いずれにしても
その茨は現実を見据える手段に他ならない
絶頂に達するまでの道のりは遠い

薔薇が赤黒く枯れ果てるまで
悼みの鮮血は永久の音色と木霊する

憾みの糸を手繰り寄せ
嬉々した狂想に巡り合う白秋は
幸福を謳う論理を突き崩す

弔いには全身に咲き続ける赤い薔薇と
鉄製の棺を囲うように咲く輪舞を

絶頂に響く不協和音を聞きながら
華やかに行われる葬儀は
優雅を彩る絵画のように広がる世界
美しきを演じるのは
玄冬を待たずして妄想を待ち望んだ
枷を填める夢の粒子

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