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Le Petit Chaperon rouge

赤い蕾を摘んでは愛で
新緑に沈む森へ埋めては
罪ながら救われるオルドローズを愛でながら
静寂を纏う晦冥に眠る

摘み始めたのは日盛り
恐怖に囚われたのは朧夜
眼球に焼きつき放れぬ深紅が
こちらに黒い顔の妄想(ゆめ)を向けた月が最期

黒い顔の妄想(ゆめ)が愛しく囁いて
絶叫を繰り返しては
不眠の闇に身を堕とす
子守唄に込める幼子の肉声は
餓鬼雑じりに甘く鼓膜を震わせる

摘まなければ枯死に至るオルドローズ
自ずと犠牲を産み堕とした罪
斃死を避けなければ没落
時代の果てに埋めてしまえば存在は喪失
しかしながら
脳内と眼球に生き続ける深紅は
血塗れたビロードを纏いながら
ただそこで微笑み続けるのみ

妄想(ゆめ)か現実(うつつ)か知る術もなく
首に刺さった痛みは
末永く抱く捨て子の悲愴
耳に残る残響は
愛して摘んだ深紅の蕾
「ただいま」の幻聴と幻覚

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